アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

ホコリ、ダニ、花粉などの吸入性抗原の吸入により、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの鼻症状が起こったもので、最初は抗原物質を吸入しても無症状のことが多いが、吸入するたびにだんだんと体内の抗体が多くなって、その抗体価があるレベルを超えたときに、その抗原物質を吸入すると発症する。

病態はアレルギー性炎症であるというのが、最新の考え方である。

一般的治療

抗原物質を避ける

マスク・メガネの使用（花粉症の場合）

＜マスク＞
　マスクの着用も有効で、通常のものに湿ったガーゼを挟み込むだけでも効果があります。花粉症用のマスクではかえって息苦しい感じがすることもあるようだ。
　実験的には、通常のマスクでも鼻に入る花粉数はマスクをしない場合の約１/３になり、花粉症用のマスクでは約１/５になるという報告がある。
＜メガネ＞
　着用に違和感のない花粉症用のメガネも発売されているが、通常のメガネを使用するだけでもメガネを使用しない時より、眼に入る花粉量は半分以下になる。
　花粉症用のメガネは眼に侵入する花粉を通常の１０～２０％に抑えて、症状の発現を軽減するという報告がある。
　コンタクトレンズを使用している人は、花粉の季節には花粉がレンズと結膜の間に入り擦れることもあるので、メガネに替えた方が良い。
＜衣類＞
　羊毛製の衣類は花粉が付着し易く、花粉を屋内に持ち込み易いことが分かっているので、服装にも気を付ける必要がある。
＜洗顔＞
　眼や鼻を洗うと、花粉症の症状が軽くなることがある。
　しかし、時には眼や鼻の周りについた花粉が侵入し、かえって症状が悪くなる場合があり、また、眼にも鼻にも水道水で洗うと粘膜を弱めることがあるので、注意が必要です。症状がひどくなる場合があれば早めに専門医に相談して下さい。

カーペット・絨毯の使用を止める（ハウスダスト・ダニアレルギーの場合）

　ヒョウヒダニの除去には、ユーカリオイルが特効的に有効であるという説もある。

パイプ枕の使用

薬剤によるアレルギー反応の抑制

抗アレルギー薬を服用することでアレルギー反応の発現を抑制することを基本的治療方針とするが、薬剤の効力が現れるまでには、ほぼ２週間必要である。その間の症状を抑制するために、対症薬・局所ステロイド剤を使用する。症状が治まってきたならば、対症薬の使用は中止する。

花粉症の場合は、時期が特定出来るので、初期療法 が良い方法である。

変質薬も同様な初期療法が良い。

初期療法とは
花粉症の場合は、抗原である花粉の飛散時期が特定出来るので、飛散開始の２週間前より抗アレルギー薬を服用することで、アレルギー反応の発現を抑制することをねらった方法である。
初期療法には、抗アレルギー薬の服薬ばかりでなく、体質改善薬の注射や局所ステロイド薬の噴霧などを行なう場合もある。

抗アレルギー剤（内服薬）

酸性抗アレルギー剤（抗ヒスタミン作用なし）

アレギサール（ペミロラストカリウム）東京田辺製薬

ソルファ（アンレキサノクス）武田薬品

ペミラストン（ペミロラストカリウム）ブリストルマイヤーズ

リザベン（トラニラスト）キッセイ薬品

塩基性抗アレルギー剤（抗ヒスタミン作用あり）

アゼプチン（塩酸アゼラスチン）エーザイ

アレジオン（塩酸エピナスチン）三共薬品

エバステル（エバスチン）大日本製薬

ザジテン（フマル酸ケトチフェン）ノバルティスファーマ

セルテクト（オキサトミド）協和醗酵

ジルテック（塩酸セチリジン）第一製薬・住友製薬

ダレン（フマル酸エメダスチン）カネボウ薬品

トリルダン（テルフェナジン）ヘキストマリオンルセル

免疫抑制剤

アイピーディー（トシル酸スプラタスト）大鵬薬品

対症薬

セレスタミン

ニポラジン

局所用薬剤

点鼻薬

抗アレルギー剤

インタール点鼻液（クロモグリク酸ナトリウム）藤沢薬品

ザジテン点鼻液（フマル酸ケトチフェン）ノバルティスファーマ

ソルファ点鼻液（アンレキサノクス）武田薬品

リボスチン点鼻液（塩酸レボカバスチン）日本新薬

ステロイド剤

アルデシン（プロピオン酸ベクロメサゾン）シェリングプラウ

アルデシンＡＱネーザル（プロピオン酸ベクロメサゾン）シェリングプラウ

アルデシンミニ鼻用（プロピオン酸ベクロメサゾン）シェリングプラウ

シナクリン点鼻（フルニソリド）大塚製薬

ナナドラネーザル（プロピオン酸ベクロメサゾン）日本化薬

フルナーゼ点鼻液（プロピオン酸フルチカゾン）グラクソ

ベコナーゼ（プロピオン酸ベクロメサゾン）グラクソ

リノコート（プロピオン酸ベクロメサゾン）帝人

点眼薬

アレギサール点眼液（ペミロラストカリウム）参天製薬

インタール点眼液（クロモグリク酸ナトリウム）藤沢薬品

エリックス点眼（アンレキサノクス）千寿製薬

ザジテン点眼液（フマル酸ケトチフェン）参天製薬

ペミラストン点眼薬（ペミロラストカリウム）ブリストルマイヤーズ

リザベン点眼薬（トラニラスト）キッセイ薬品

変質薬（体質改善薬）

ヒスタグロビン

ノイロトロピン

ブロンカズマ

ＭＳアンチゲン

根本的治療

局所のアレルギー反応を起こさないような身体条件の醸成

減感作療法

特異的抗原によるもの

特定の抗原エキスを１０万倍程度のものから皮下注射で週２回投与して、徐々に濃度を上げ、最終的には１０倍程度まで持ってくる。

以後は維持療法として、月１・２回程度の投与を行うもの。約２年を要する。

非特異的抗原によるもの

変質療法

手術的治療

鼻内形成手術

下鼻甲介切除術

粘膜下下鼻甲介骨切除術

鼻腔粘膜焼灼

高周波手術

高周波メスによって、下鼻甲介の粘膜下の毛細血管網を凝固して、血液の貯留による腫脹を抑える。

レーザー手術

炭酸ガスレーザーなどのレーザーメスによって、鼻粘膜表面を凝固してアレルギー反応が起こらないようにするもので、苦痛も少なく外来通院でも行なえる優れた方法である。

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