アレルギー性鼻炎があり、鼻づまり・いびき・口臭・口呼吸が続いている子供の手術療法について

【質問】始めまして。ホームページを見て相談させていただきました。9歳8ヶ月の女の子です。3歳の頃より、アレルギー鼻炎が始まり、ずーと鼻づまり、鼾、口臭、口呼吸、耳のかゆみの毎日です。レントゲンの結果アデノイドと扁桃腺が大きく、アレルギーの数値も高いといわれました。また、ひどくなると鼻に膿がたまりますが、軽快すればなくなるという調子です。鼻の吸入、内服薬を続けてきたのですが、良くなったり悪くなったり繰り返す事の連続でした。アデノイドも小さくなることは、あまり期待出来ないと言われ手術をすすめられました。アデノイドと扁桃腺の切除、鼻炎のレーザーです。手術の危険はどれほどのものなのでしょうか? また、がまんできるのであれば、今手術をしない方がいいのでしょうか?
 2件の病院にかかったのですが、手術を薦める病院としなくても薬でと言う病院とで、とても迷ってしまいました。また、さまざまな医療現場の報道を耳にしている今、親としてどう決断したらいいのかとても悩んでいます。先生、良きアドバイスをお願いします。

【回答】何のアレルギーでしょうか? 永年の通年性のアレルギーだと多分ハウスダストとかダニでしょうね。普通はアレルギー性の鼻・副鼻腔炎があって、風邪を引いたりすると感染が加わるので、症状が強くなるという状況だろうと思います。

【質問】鼻の吸入、内服薬を続けてきたのですが、良くなったり悪くなったり、繰り返す事の連続でした。アデノイドも小さくなることは、あまり期待出来ないと言われ手術をすすめられました。

【回答】お子さんの場合は、アレルギーを抑えることが一番大事だと思います。抗アレルギー薬をきちんと飲んで、感染が加わったときは抗生剤を追加するなどしてもらい、毎日根気に継続して鼻の治療に通院させることが大切だと思います。長期間薬を使うことは、副作用が心配だからとかいって、自己判断で薬や治療を中断してしまうことなどは良くありません。長引いているときはこういう場合が多いと思います。
 アレルギーの治療には、生活環境を整えることも重要なことです。何のアレルギーかを調べて、ダニならダニに対して、イヌやネコとか小鳥などペットが原因ならそれに対して、正しい対応をしなければ、決して良くならないと思ってください。

【質問】アデノイド切除と扁桃腺摘出、鼻炎のレーザー手術を勧められています。

【回答】そして、内的環境(身体的環境)を整えるのが、これらの手術です。扁桃腺やアデノイドが鼻からの空気の流れを邪魔しているのであれば、手術で気流を改善することも大切です。

【質問】手術の危険はどれほどのものなのでしょうか?

【回答】最近は扁桃腺・アデノイドの手術でも全て入院して全身麻酔で手術することが多くなっておりますし、手術前に麻酔専門医が全身チェックを行いますので、特別のことが無い限り危険は無いと思います。

【質問】また、がまんできるのであれば、今手術をしない方がいいのでしょうか?

【回答】これは、選択の問題です。積極的に身体的環境を整えてでも、状況を改善したければ、手術を選べば良いし、手術がしたくないのであれば、そのような方法を選べば良いのです。何れにしてもアレルギーの治療というものは、簡単ではないことを肝に銘じてください。アデノイドの切除と扁桃腺摘出及び鼻炎のレーザー手術で全て解決するものでは有りません。内的環境(身体的環境)が整うだけです。アレルギーの治療はここから始まると思って下さい。

【質問】2件の病院にかかったのですが、手術を薦める病院としなくても薬でと言う病院とで、とても迷ってしまいました。

【回答】両方とも正しいのです。根気に気長に治療を続けなければ解決しません。

【質問】また、さまざまな医療現場の報道を耳にしている今、親としてどう決断したらいいのかとても悩んでいます。

【回答】悲しいことです。興味本位の報道が多すぎるように思うのは、医療に携っている者のヒガミでしょうか。

【質問】良きアドバイスをお願いします。

【回答】お子さんの現状を詳しく調べて、正しい対応をされるようお勧めします。アレルギーは決して一筋縄では解決しません。根気に気長に治療することが大切です。