3ヶ月半になる娘が中耳炎

【質問】はじめまして、中耳炎のHP見せていただきました。3ヶ月半になる娘が中耳炎で治療中です。なかなか治らず心配しています。HPに「お母さんは神経質にならずに」とありますが、やはり心配でなにか御意見をいただけたらと思いメールさせていただきました。生後18日目に耳垂れが出て小児科で「外耳炎」と診断され点耳薬で止まりました。その後、2ヶ月半で再度耳垂れが出て、また同じ点耳薬をもらい少し止まりましたが、改善しませんでした。里帰りから自宅に戻ったため、他の小児科を受診しましたら中耳炎とのことで、同じ点耳薬に加え飲み薬(抗生物質)を頂きました。しかし、1週間たってもまだ中がジクジクしているようで、今日薬が変更されました。中耳炎の原因の多くが風邪とのことですが、熱が出たこともなく、鼻水も痛がって泣いた覚えもありません。(見落としてしまったのかもしれませんが)。まだ3ヶ月半と年齢も小さく、薬のことや治療のことなどとても心配です。難治性なのでしょうか。なにかアドバイス頂けませんでしょうか。よろしくお願いします。

【回答】ご心配なことですね。何故小児科なのでしょうか。生後3ヶ月半の赤ちゃんだから、小児科にかかっておられるのかと思いますが、一度耳鼻咽喉科専門医に見せて下さい。自分が耳鼻咽喉科医だから言うのではありませんが、このくらいの赤ちゃんの耳を診るのは専門医でも簡単ではありません。

【質問】里帰りから自宅に戻ったため、他の小児科を受診しましたら、中耳炎とのことで同じ点耳薬に加え飲み薬(抗生物質)を頂きました。

【回答】中耳炎は中耳の細菌感染ですから、その治療は抗生物質を使うのが当たり前のことです。

【質問】しかし、1週間たってもまだ中がジクジクしているようで、今日薬が変更されました。

【回答】点耳薬は止めてください。こんなことを言うと、今かかっておられる小児科の先生に怒られるかもしれませんが。赤ちゃんの狭い外耳道に液体を入れたままにするのは良くありません。点耳薬の使い方は如何するように指導されておりますか。点耳して10分後くらいに綿花できれいに拭いておくことが大切です。私なら点耳薬は処方しません。

【質問】中耳炎の原因の多くが風邪とのことですが熱が出たこともなく、鼻水も痛がって泣いた覚えもありません。(見落としてしまったのかもしれませんが)

【回答】本当に中耳炎でしょうか。鼓膜の状態はどうですか。どうなっていると言われていますか。私には、まだ外耳道に耳垢が残っていて、点耳薬を使っているためにいつまでも「中がジクジクしている」ように思えてなりません。これは小児科の先生を侮辱していますかねえ。

【回答】まだ3ヶ月半と年齢も小さく、薬のことや治療のことなどとても心配です。難治性なのでしょうか。

【質問】今かかっておられる小児科の先生が、耳鼻咽喉科の訓練を受けた方であれば、もう少し、その先生と相談して、治療を続けられればよろしいのですが、もしそうでなければ、是非一度耳鼻咽喉科専門医に見せて下さい。

【質問】早速お返事を頂きどうもありがとうございます。アドバイスいただいたように今朝、耳鼻科を受診し外耳炎と言われました。

小児科では

その結果、茶色くて外にあふれていた耳だれが止まりました。しかし、10日経つ今も耳を外側から押すとペタペタと鳴ります。

耳鼻科では

正直言ってどうして良いか迷っています。
飲み薬を加えたことで外にあふれるほどだった耳だれが止まりましたし、薬を中途半端で止めると耐性が出来て効かなくなるとのことですし。とりあえず専門の先生を信用し、飲み薬を止めようかと思います。点耳薬はご助言の通りに綿棒で拭き取るようにします。
先生に診察していただければ一番なのですが、住まいが神奈川県なのでそうもいきません。相談にのって頂きありがとうございました。
月曜日に耳鼻科の再診ですので、また報告させていただきます。

【回答】メール拝見しました。却って混乱させたようですみません。
鼓膜に異常がなくて良かったですね。「飲み薬は飲まなくてよい。点耳薬は朝晩10分間。綿で耳栓をしておく。終わったあとのケアは必要なし。」ということであれば、感染は強くないのでしょうね。

【質問】正直言ってどうして良いか迷っています。

【回答】耳鼻科の先生の言ったように「点耳薬は朝晩10分間。綿で耳栓をしておく。終わったあとのケアは必要なし。」の方が良いかもしれません。耳栓の綿が知らないうちに点耳薬を吸収しているでしょうから。耳栓の綿がいつまでも濡れているようでしたら取り替える程度にして余り触らない方が良い様に思います。傷をつけると却って悪くなりますから。

【快方に向かっています】今日2回目の耳鼻科を受診してきました。まだ膿は出ているようであと数回は通う必要があるようです。しかし、押してもペトペトいわなくなりましたし本人が気にして耳を触るのも減った気がします。私の耳掃除のし過ぎですね。初めての育児で不安が多く心配な毎日を過ごしていましたが少しほっとしました。お忙しい中、相談にのっていただき娘共々感謝しております。本当にありがとうございました。

【再三すみません】娘の耳ですが まだ良くなりません。診察して頂いている訳でもないのにメールで度々申し訳ありません。
前回メールした時はペトペトした音も消えていたのですが、次の診察後自宅に帰ると出血していました。担当の先生は「外耳炎は血が出ることもある」とおっしゃったのですが、診察直後であったので傷を付けられた気がしています。その後、押すとまた音がするようになり、膿も出ているとのことで、点耳薬がタリビットからベストロンになりました。しかし、それでも完治せず地域の大きな病院を紹介され受診してきました。その病院では鼓膜に傷はないので、外耳炎だが鼓膜に白い点々がある。カビかもしれないとのことでマイコスポールという点耳薬を処方されました。

再度点耳後のケアについては質問してみましたが、そのままでよいとのことでした。先生は「小さな耳に液を満たしたままは良くない」とおっしゃっていましたし、私もそのためにいつまでも乾かない気がします。そう質問もしてみましたが「様子を見ましょう」とのことでした。外にあふれるほどだった耳だれは止まっているので、いっそこのまま点耳薬を止めてしまおうかなどと考えてしまいます。いかがでしょうか。先生の御意見をお聞かせください。耳以外は元気なのでとりあえず安心なのですが・・・。お忙しいところ再三申し訳ありませんがどうぞよろしくお願いします。

【回答】ご心配なことですね。診察もしていない者がいろいろ言うのは、却って混乱させると思って余り申し上げませんでしたが、お子さんの場合はいわゆる瀰漫性外耳炎というタイプの外耳炎です。皮膚が非常に弱くなっておりますので、ちょっと触っても出血することが多いのです。「傷を付けられた」などと思わないで下さい。お願いします。

【質問】その病院では鼓膜に傷はないので外耳炎だが鼓膜に白い点々がある。カビかもしれないとのことでマイコスポールという点耳薬を処方されました。

【回答】外耳道には、一般細菌といっしょに、カビもいますので、炎症があって常在細菌の力が衰えてくると、カビ類の力が強くなって、真菌感染が起こってきます。これは、たとえば抗生剤の内服を続けていると、鵞口瘡といって口の中に白い苔のようなものがつくことがありますが、それと同じです。

【質問】再度点耳後のケアについては質問してみましたが、そのままでよいとのことでした。「小さな耳に液を満たしたままは良くない」と、先生はおっしゃっていましたし、私もそのためにいつまでも乾かない気がします。そう質問もしてみましたが「様子を見ましょう」とのことでした。

【回答】これは、担当医の診療方針ですので、皆それぞれが自分自身の診療経験から身についた信念によって診療を行っておりますので、いろいろ違いが出ます。

 私は、耳は(中耳も外耳も)乾いて空気が入っているべきだと考えておりますので、点耳薬の投薬はしておりませんし、自分でも点耳薬を使うのは鼓膜切開をした後だけです。こういう場合は、私なら、抗生剤とステロイドの入った軟膏を使います。それがベストだと確信しております。若い先生には、なかなか理解されないかも知れませんが。わざわざ通院してもらわなければならないので、お母さんには負担が大きいのですが、毎日来てもらって自分で処置をします。そうしなければ木目細かい診療は出来ません。

【質問】外にあふれるほどだった耳だれは止まっているのでいっそこのまま点耳薬を止めてしまおうかなどと考えてしまいます。いかがでしょうか。先生の御意見をお聞かせください。

【回答】マイコスポールは、非常に効力が強い薬ですので、(その反面刺激も強いのですが、)1〜2回使えば、カビは消える筈です。慢性中耳炎の患者さんで、急に耳漏が多くなってなかなか止まらない人がありまして、細菌検査の結果は酵母でしたが、マイコスポールを塗布した所、1〜2回でそれまでの耳漏が止まったことがありました。だから1〜2回は点耳してください。赤ちゃんは動くのでそのうちに自然に液体が耳から出てしまうと思います。しばらくたっても濡れているようでしたら、ティッシュか綿花でそっと拭き取ってください。

【お礼の言葉もありません】早速にお返事を頂きまして本当にありがとうございます。初めての子なのでどうしても神経質になってしまっているのかもしれません。『「傷を付けられた」などと思わないで下さい。お願いします』との先生のお言葉が身にしみます。
娘に対しては先生のおっしゃるとおりにしてみたいと思います。岐阜まで診せに行きたいのですがそうもいきませんので・・・。
先生には本当に感謝しています。寒さも厳しくなる折からくれぐれも御自愛ください。