水泳をしている人の耳閉塞感について

【質問】昨年2月より、ダイエットを兼ねて水泳を行い、当初67キロの体重を半年で58キロまで減量し、現在、その体重を維持しています。ところが、昨年6月より、右側に耳閉感があり、耳鼻科にいきましたところ異常なしと診断されました。しかし、そうは言っても、詰まった感じがある以上、やはり異常があるだろうと思い、転院しました。そこでは、中耳炎であると言われ、数週間で直ると診断されました。しかし、症状は依然として改善せず、昨年8月から再び転院し、通院治療をしております。現在の医師は、ご自身が経験している病気だとし、長くかかりますよ、といわれています。

しかし、8月の転院時は、耳垂れもなく、耳閉感だけでしたが、昨年12月から耳垂れが発生し、毎夜枕カバーが汚れるほどに悪化してきました。更に、耳垂れの影響でしょうか、外耳道の一部がただれて狭くなってきており、消毒をするとかなりしみる感じです。

【回答】小生の感想を申し上げます。

1.水泳をされている事
2.耳閉感があること
3.最初は、耳垂れもなく、耳閉感だけであったが、途中から耳垂れが発生したこと
4.耳垂れの影響で、外耳道の一部がただれてしみること

以上の事を勘案すると、プールで感染した外耳道の真菌感染症が悪化して、びまん性外耳道炎が併発してきたと思われます。

こういう状態では、外耳道を乾燥状態に保つ事が大切です。

プールの水には浮遊物がいっぱいあり、水泳後はシャワーで耳の中も含めて奇麗に洗う事が大切であると確信しております。これはちょっと偏見が強いかもしれませんが。実際に水泳をしている人達には外耳道の真菌感染症が非常に多いと考えております。

【質問】個人的には、通院している間に当初なかった症状が出てくるのは、治療方法が妥当なのかな、という心配となってきます。現在の病院での治療は、オキシフルで消毒した後、細長いガーゼに黄色い液を浸したものを3時間詰めておくという治療です。小生の耳の状態は、おそらく子供のころに中耳炎を繰り返したのかどうかわかりません。

【回答】私はこういう治療は好みません。

先ず、抗生剤とステロイドの軟膏を塗ってびまん性外耳道炎を改善して、

その後、真菌感染症に対処する事を考えるべきだと思いますし、

自分の患者さんにもその様にしております。

【質問】鼓膜に小さな穴があいており、その穴は、これからも残るものといわれています。

【回答】鼓膜の穿孔についてはちょっと厄介ですが、小さいものならば保存的治療で治癒します。

【質問】水泳は、止めておりますが、再び水泳ができるように早く完治したいものです。

【回答】また鼓膜に小さな穿孔が有ってもダイビングをするのでなければ、耳栓を上手に使う事で、泳ぐ事は可能です。

【質問】先生のホームページにご紹介されている合併症を見るにつけ、心配がだんだん大きくなりました。現在の担当医師を信じ、これからも通院治療をしたいと思っておりますが、再度転院も考えることも検討すべきか、先生のアドバイスをいただければ幸いです。なお、現在の耳鼻科は、聴力検査機器を有しない個人病院です。

【回答】現在の先生を批判したのではなく、小生の感想を申し上げたまでです。