反復性中耳炎にはチュービングがお勧めか?

【経過概要】現在、1才9ヶ月の娘は1才の時に中耳炎になり、その後繰り返し、今も治療中です。詳細は以下のとおりです。H13.6(両耳切開):H13.7(両耳):H13.10(両耳):H13.1(両耳):H14.2.2(両耳):H14.2.14(両耳):H14.2.28(右耳):H14.3〜現在(右耳)。毎回の治療で鼓膜を切開しており本人も痛そうですし、連れていく保護者も痛そうで、つらいです。度重なる再発で「反復性中耳炎」と診断されました。膿を検査して判明した菌に対しての正確な薬を処方している(主治医談)のですが、薬の効果がはっきりしません。本人の免疫に何か問題があるのではないかということで、大学病院での検査(免疫の)を勧められ紹介状をいただきました。主治医はチュービングを勧めます。その理由に「再発のたびに切開しなくてよい、また通院回数も減り親の負担も減る」ということです。切開は確かにかわいそうなのでいやなのですが、通院に関しては主人も私も負担ではありません。チュービングの話しは前からあったのですが、親としては、できるなら避けたい治療です。

などといろいろ不安があるからです。

検査のついでに、違う医者の見解も聞いてみてはどうですかということもあり、大学病院での耳鼻科診察(相談)も考えています。

鼻たれさんが、治るかなぁということで、鬼になっていやがる本人の鼻吸いをしてますが、大泣きするのでまたすぐ出ます。「ズルズル」と音はするけど、良く寝ているようです。そういうときでも、耳には悪いのでしょうか。どこまでとればいいか、わかりません。すごく神経質になってしまいます。とりとめもなく書いてしまい申し訳ありません。率直なご見解をお待ちしています。宜しくお願いします。

【質問】毎回の治療で鼓膜を切開しており本人も痛そうですし、連れていく保護者も痛そうで、つらいです。

【回答】鼓膜切開に対して、積極的に行う考えの耳鼻科医と消極的な考えの耳鼻科医とが居ります。私も若い頃は積極的に切開をしてきましたが、最近はかなり消極的になっております。それは、自分が老人になって来たことと、「切開をしましょう」と言った時、お母さんの顔が曇るので、もう少し様子を見てからと考えるようになったことも、関連しているように思います。

こんな私でも鼓膜切開は行っております。それは、中耳炎が急激に進展してきて、中耳腔の圧が上がって、耳痛が強い時は、切開して減圧しない限り、痛みは取れません。問題は、治療中の中耳炎が再燃して来て、中耳腔に粘凋な滲出液なり膿なりが、溜まって来た時です。

鼓膜切開の効用には、主に2つあります。1つは、減圧で、もう1つは、中耳腔への空気の供給です。勿論排膿ということもありますが。鼓膜の切開孔から空気が中耳に入ることによって、耳管内の炎症が改善されて行きます。すなわち耳管機能が正常化されることになります。しかし、いつもこうは行かないのです。早い時には翌日、中には2〜3日で排膿が不十分のまま閉じてしまうことが多いのです。チュービングはこの欠点を補おうとするものです。炎症が完全に消退するまでの間、鼓膜の孔を確保して、空気の出入りを保障しようとするものです。

【質問】主治医はチュービングを勧めます。その理由に 再発のたびに切開しなくてよい、また通院回数も減り親の負担も減る ということです。切開は確かにかわいそうなのでいやなのですが通院に関しては主人も私も負担ではありません。

【回答】1才9ヶ月でチュービングというのはどうでしょうかねえ。私には経験がありませんので、コメント出来ません。

【質問】膿を検査して判明した菌に対しての正確な薬を処方している(主治医談)のですが、薬の効果がはっきりしません。本人の免疫に何か問題があるのではないかということで、大学病院での検査(免疫の)を勧められ紹介状をいただきました。

【回答】検出された菌に対して、感受性がある薬剤を使っても中耳炎が改善されないことはいくらでもあります。だからといって、すぐ免疫不全というのはどうでしょうかねえ。こういう考えを主張して、免疫グロブリンを使用する耳鼻科医も居ますが、私はこれに対しては否定的です。

【質問】こういう反復性中耳炎の場合、チュービング及び切開しかないのでしょうか。薬が効かない場合、ますますチュービングするのがよいのでしょうか?抗生物質がだめなら、漢方では、効き目が無いのでしょうか?

【回答】中耳炎の改善には、如何にして空気を中耳に入れるかということがキーポイントになると私は考えております。経鼓膜的方法(チュービング及び切開)も1つの選択肢ではありますが、経耳管的方法(耳管機能の改善)がもう1つの大切な選択肢です。耳管機能の改善には、耳管咽頭口付近の炎症を除くことが重要になります。鼻吸いなどで鼻をきれいにしておくことです。私は、出来るだけ処置に通ってもらって、鼻吸いをしております。

【質問】現在、保育園に通っています。鼻たれさんが、治るかなぁということで、自宅育児に切り替えたら少しは改善されるのでしょうか?

【回答】保育園では、どうしても平均的な子育てになりますし、自宅の環境とは微妙に違うので、保育所の小さい子達には洟垂れさんが多いですね。私が嘱託医をしている保育所でも、5月の定期健診のときに、1歳児・2歳児では、洟垂れさんが多く、中耳炎になっているのに、お母さんが気付いていない子達がかなり居ます。あまりお答えになっていないかも知れませんが、感じたままを記してみました。

【質問】免疫グロブリンの摂取に、何故否定的なのですか? 教えてください。免疫グロブリンの摂取でなにかデメリットはあるのでしょうか? 1ヶ月後の検査結果次第ですが、大学病院の小児科医(免疫専門)も免疫グロブリンの投与を検討しましょうかという説明を受けました

【回答】血液製剤であること、保険適応がむづかしいこと、それ程の効果は期待しがたいと信じていること、などです。信念みたいなものでしょうか。老いの一徹かも知れません。

【質問】自宅でする鼻吸い、あれはどの程度効果があるのでしょうか。泣くので、またすぐに鼻水が出てきます・・・いたちごっこ?!意味無いように思えてくる時もあります…

【回答】どういう器具を使っておられるか分かりませんが、鼻から呼吸が出来ないほど、鼻汁が詰まっているとき意外は、無理になさらない方がよいと思います。慣れてくれば、2歳児でも泣き喚かなくなりますし、自分から積極的に、「耳鼻科に行く」と言うからつれてきましたという子供も居ますから。

【質問】毎回、鼓膜切開をしてきた。と書きましたが過去2回は、薬だけで落ち着いた場合もありました。まだ痛みを訴えることができないとはいえ、いつも親のほうで気づいてやるのが遅く、夜中に突然泣く・耳に手をやる等で判断して病院に行くため、膿みがたまってしまってつらい状態で先生に診せることになり、切開処置に繋がってると思います。膿みの色も濃く、パンパンに腫れているので切ってあげないとだめですねと言われてきました。

【回答】しかし、いつもこうは行かないのです。早い時には翌日、中には2〜3日で排膿が不十分のまま閉じてしまうことが多いのです。

【質問】主治医も切開する面積を広く(コの字に切ったり、V字に切ったり)して、できるだけ長く開いているよう、努力して下さっている模様です。「耳管機能の改善には、耳管咽頭口付近の炎症を除くことが重要になります。鼻吸いなどで鼻をきれいにしておくことです。私は、出来るだけ処置に通ってもらって、鼻吸いをしております。」という先生のお話で、すごく救われました。中耳炎は成長と共に少なくなっていって、治る病気と思っていますので、なるべく自然な治療を選んでいきたいと思っていましたので。まずは、先生がおっしゃる通り、まめに通院して鼻吸いをしてもらい、常に鼻をきれいに保つことにします。検査だチューブ手術だと、いろいろいわれ、すごく心配になり、焦っていたのですが、このメールを頂いて落ち着くことが出来ました。本当にありがとうございました。 m( _ _ )m