中耳炎では飛行機に乗ってはいけないか

【質問】私は22歳の女です。1月17日あたりから、ひどい風邪をひき、1月21日に耳の激痛があったため、病院に行きました。中耳炎と言われ、その日に鼓膜切開をして、痛みはなくなりました。今通院していますが、昨日から耳鳴りがしています。あと、つばを飲んだりすると耳の中で変な音がします。時々軽いめまい(ふらふらする程度)があります。

【回答】中耳炎は、ご存知のように、のどから耳管(欧氏管ともいい、のどと耳を繋いでいる管)を通って感染が起こったもの(急性化膿性中耳炎)と、風邪などで耳管に炎症が起こり、その通過性が悪くなって、耳に十分な空気が入らなくなったために起こるもの(滲出性中耳炎)などに分けられます。勿論両者の混合型のようなものも有りますが。

急性化膿性中耳炎で耳が痛いのは、中耳腔に起こった感染のせいで、耳管も閉鎖と相俟って、中耳腔の内圧が急激に上がるためです。それで鼓膜を切開して、中耳腔に溜まっている膿汁などの貯溜液を排除するとともに内圧を下げると痛みは無くなります。

しかし、耳管には依然として炎症が残っておりますので、耳管の通過性は悪いままですから、「つばを飲んだりすると耳の中で変な音が」するのです。「軽いめまい(ふらふらする程度)」は、恐らく中耳内圧の左右差のせいと思われます。

【質問】耳鼻科の先生は症状は悪化しておらず、とにかく安静にして、早く風邪を治しなさいと言っています。

【回答】その通りです。早く風邪を完治させる事です。

【質問】私は1月29日から2月1日まで、スキーに行く予定があり、先生は無理しなければ行ってもいいとおっしゃってました。また、2月の17日からアメリカに旅行に行きます。このことはまだ先生には言ってませんが、スキ−の話の時、飛行機に乗るか確認されました。飛行機に乗るとなにか都合が悪いということでしょうか?

【回答】飛行機は、離陸するときと着陸するときに、気圧の急激な変化が起こります。そうすると中耳腔の内圧もそれに合わせて変化しないと、鼓膜の内と外で大きな気圧差が出来る事になります。中耳炎が完治していないと、耳管による中耳腔内圧の調整がうまく出来ないので、耳が痛くなったり貯留液が溜まったりする事(航空性中耳炎)になります。

【質問】中耳炎では、絶対に飛行機に乗ってはいけないのでしょうか。

【回答】絶対に駄目と言うわけでは有りませんが、細心の注意が必要です。離着陸のときは、決して眠っていてはなりません。機内ではいつもチュウインガムとか飴玉を口にしている事です。少しでも耳がポーンとしたら、鼻をつまんでつばを飲み込むとか、鼻をつまんでフンとするとかして、中耳内圧と気圧の差が出来ないように心掛けねばなりません。それを怠ると中耳炎が増悪して激しい耳痛に襲われ、旅行を続けることが出来なくなります。
私なら、スキーは止めて、中耳炎が少しでも良い状態になるように心がけて、アメリカ旅行に備えます。