特定非営利活動法人 日本耳鼻咽喉科医会
第32回臨床家フォーラム

GIFU FORUM 2007 in 飛騨高山

会 期:平成19年8月25〜26日
会 場:飛騨・世界生活文化センター

岐阜県高山市千島町900-1
Tel.0577-37-6111 Fax.0577-35-2251

プログラム

全体会議 (8月26日  9:00〜13:00)飛騨芸術堂
日本耳鼻咽喉科医会創立40周年記念式典
記念講演
アロマテラピー近藤ゆか耳鼻咽喉科 近藤 由香先生
 −匂いから心へのアプローチは出来るか−
住環境からアレルギーを考える服部耳鼻咽喉科 服部 芳樹先生

めまい・平衡障害診断における重心動揺検査

岐阜大学名誉教授 時田  喬先生

緊張性頚反射

島根医科大学元学長 檜   學先生

 −姿勢構成における体性神経反射と自律神経反射の協応(金剛力士像と見返りの弥陀像)−
分科会  (8月25日 15:00〜18:00)食游館
第1会場(食游館 2F・会議室1)  1)電子カルテの現状と診療所IT化への対応
2)診療所サージャリーの現状と将来
第2会場(食游館 2F・会議室2)  3)診療所での「感染症診療」‐最近の話題‐
4)アレルギー科の標榜と専門診療
第3会場(食游館B1F・大会議室1/2)  5)口腔乾燥症・舌痛症への対応
6)耳鼻咽喉科医に必要な小児感染症の知識
第4会場(食游館B1F・大会議室1/2)  7)従業員教育
8)補聴器相談医としてなすべきこと
機械展示ブース(8月25日 15:00〜18:00)飛騨センターBF・ウェルカム広場
       (8月26日  9:00〜12:30)飛騨センターBF・ウェルカム広場
電子カルテ展示(8月25日 15:00〜18:00)飛騨センター1F・レストラン
談話コーナー (8月25日 12:00〜18:00)飛騨センター1F・レストラン
聴力検査講習会(8月25日 15:00〜16:30)食游館3F・特別会議室
公開教養講座 (8月25日 15:00〜18:00)ミニシアター
懇親会    (8月25日 19:00〜20:30)高山グリーンホテル
観 光
エキスカーション(市内観光)(観光資料配布:自由散策)
ポストコングレスツアー   (8月26日13:30〜)
  1. 奥飛騨温泉郷・上高地
  2. 世界遺産白川郷・郡上八幡(郡上踊り参加)

「GIFU FORUM 2007 in 飛騨高山」へ是非どうぞ

岐阜県耳鼻咽喉科医会 会 長 渡邉忠彦
第32回臨床家フォーラム実行委員会 委員長 藤垣 煕

 特定非営利活動法人日本耳鼻咽喉科医会第32回臨床家フォーラムは、岐阜県耳鼻咽喉科医会が担当して、「GIFU FORUM 2007 in 飛騨高山」と銘打ち、「日本ど真ん中フォーラム 耳鼻咽喉科医の新生を目指して!」をスローガンに掲げ、岐阜県高山市の「飛騨・世界生活文化センター」で開催することになりました。
 只今、岐阜県耳鼻咽喉科医会会員全員が一丸となって準備に鋭意努力を重ねております。是非「GIFU FORUM 2007 in 飛騨高山」へお出掛け下さり、飛騨高山の夏をご満喫下さい。
 第32回臨床家フォーラムは、岐阜県で最初のフォーラム開催ですので、本来ならば岐阜市で開催すべきかとは思いましたが、生憎何処かのメーカーの大きな全国大会との競合で、適当な会場がすべて予約済みになってしまっていました。
 更に今、飛騨高山はブームであり人気の的になっているようなので、高山市で開催することに決めましたが、よく考えてみると、高山は、安房トンネルの開通により東京からは近くなりましたが、全国から参加して頂くのにアクセスがかなり不便であるらしいということが分かって来ました。しかし、JR名古屋駅からは「ワイドビューひだ」で約2時間です。東海北陸自動車道などの高速道路経由の高速バス便(名古屋−高山間)も整備されております。中部国際空港からも「名鉄特急」と「ワイドビューひだ」を乗り継いで約3時間なので、「GIFU FORUM 2007 in 飛騨高山」に是非お出掛け下さいと申し上げます。
 開催期日に関しましては、いろいろなご意見があることは十分承知致しておりますし、また、台風の心配もありますが、例年と同じ、8月の第4土曜日・日曜日と致しました。
 プログラムは、例年の通り、土曜日の午後の分科会、医科機械展示、電子カルテ展示、従業員用聴力検査講習会、従業員・家族用(一般公開)教養講座、日曜日午前中の全体集会と致しました。 ポストコングレスツァーとして、「奥飛騨温泉郷・上高地コース」及び「世界遺産白川郷・郡上八幡コース」の2コースを予定しております。

分科会のプログラムとして

 1)電子カルテの現状と診療所IT化への対応
 2)診療所デイサージャリーの現状と将来
 3)アレルギー科の標榜と専門診療
    −鼻アレルギーのみならず喘息・アトピーも守備範囲に−
 4)診療所での「感染症診療」−最近の話題−
 5)口腔乾燥症・舌痛症への対応 −高齢化社会をふまえて−
 6)耳鼻咽喉科医に必要な小児感染症の知識
 7)補聴器相談医としてなすべきこと
 8)理想の診療所を目指した従業員教育
    −今、何故、従業員教育が必要か−


の8コマを用意しました。是非ご期待下さい。

全体集会の記念講演

 ・アロマテラピー −匂いから心へのアプローチは出来るか−
 ・住環境からアレルギーを考える
 ・めまい・平衡障害診断における重心動揺検査
 ・緊張性頚反射
    −姿勢構成における体性神経反射と自律神経反射の協応
    (金剛力士像と見返りの弥陀像)−


を予定しております。

従業員用教養講座及び一般公開講座として、
 ・映画「眼振の生理」
 ・「めまい」を斬る
 ・映画「訓練の生理」
 ・理想の診療所を目指した私達の自主研鑚
を予定しております。

懇親会は、高山グリーンホテルで開催致します。

ポストコングレスツァー
 奥飛騨温泉郷・上高地コースは、 新穂高ロープウェーで高台に上がり、槍ヶ岳から穂高岳に至る北アルプスの山々の景観と乗鞍岳から笠ヶ岳に至る岐阜の山々の景観という大パノラマを楽しんで頂き、新穂高温泉にて宿泊。翌日は、上高地の散策の後、上高地帝国ホテルで昼食をして頂き、JR松本駅で解散。  世界遺産白川郷・郡上八幡コースは、 白川郷散策の後、郡上八幡で宿泊(出来れば郡上踊り体験)。翌日は、木曽川にある淡水魚水族館「Aquaトトぎふ」を経て、JR名古屋駅で解散。
というコース設定を考えております。

 

プログラム
 
■全体集会(8月26日9:00〜13:00)(飛騨芸術堂

開会式

開会の辞

 

日本耳鼻咽喉科医会創立40周年記念式典

理事長挨拶(特)日本耳鼻咽喉科医会理事長 清水淑郎先生
来賓祝辞 
表  彰 

記念講演

アロマセラピー

近藤ゆか耳鼻咽喉科 近藤 由香先生

 −匂いから心へのアプローチは出来るか−
 
 アロマセラピーとは、植物から抽出した香り成分である精油(エッセンシャルオイル)を用いた治療法です。さまざまな香りの効用が古来より伝承的に伝えられています。多くの香料物質は古くから医療分野でも用いられていました。香りの効果はアロマセラピーと呼ばれる芳香療法として現代まで受け継がれています。
 アロマセラピーの主作用は、精油の芳香物質が、嗅覚を介して大脳に働きかけるものと考えられています。
 これまで人の嗅覚の役割はそれほど重要視されていませんでした。しかし最近の科学的研究の急速な進展により、人に及ぼす香りの重要性が注目されて来ました。香りのさまざまな生理作用は、大脳辺縁系や視床下部を介したものであると考えられ、自律神経調節作用、鎮静・覚醒効果が報告されています。
 21世紀は香りの時代といわれています。 アロマセラピーは、心身両面への効果が期待できる治療であり、耳鼻咽喉科医の立場から述べたいと思います。

 

住環境からアレルギーを考える

服部耳鼻咽喉科 服部 芳樹先生

 
 ヒポクラテスの昔から知られ、鼻科疾患の大多数を占めていた萎縮性鼻炎(臭鼻症)は、我国に於いて第二次世界大戦後急速に姿を消し、更に近年、化膿性疾患も激減し、それらに替わってアレルギー疾患が爆発的に増加していることは周知の事実である。この疾患の変遷と日本人の食・住の変遷とは、重ね合わせて同一の軌道を辿っていると言える。
 今回私は、住居環境即ち、住まいと住まい方の視点からアレルギー性鼻炎を考えたいと思う。特に近年我国で、その精度が価値の尺度となっている高気密高断熱住宅、その中で住まい方を誤ると、シックハウス症候群を惹き起すのみならず、ヒョウヒダニの異常繁殖を招き、これらが相俟ってアレルギー性疾患増加の主因となっていることが推測される。
 この講演の中で、まず日本の家屋構造の変遷を概観し、ヒョウヒダニの生態を説明し、その動画を供覧する。次に駆除の基本的な方法にふれ、1日4回換気法など具体的な生活習慣即ち、住まい方の改善策を提示する。そして以上を、耳鼻咽喉科医の立場から一般向けの指導という枠組みに沿って述べる。

 

めまい・平衡障害診断における重心動揺検査

岐阜大学名誉教授 時田  喬先生

 
 重心動揺検査は、直立姿勢に現れる身体動揺を重心の動揺で捉え、姿勢制御に働く迷路系、視覚系、脊髄固有反射系、これらの系を制御する中枢神経科系の働きを捉え、めまい・平衡障害の診療に資するものである。重心動揺検査は、1996年の保険診療適用となり、検査方法も基準化されている。被験者を重心動揺計の上に閉足にて直立させ、開閉眼各60秒間の重心動揺を記録する。記録が終ると、動揺型(パターン)、面積・軌跡長・変位、パワースペクトル、位置・速度ベクトル、振幅確率密度分布が図形、測定値として出力される。
 ● 動揺のXY記録より、動揺パターンを評価する。患者の訴えるめまい・平衡障害を他覚的に把握することができる。動揺の全体的に把握できるので、症状の推移の観察にも適している。特徴的な動揺を示す例では障害部位の推定に役立つこともある。
 ● 面積軌跡長変位検査では、動揺の大きさ、姿勢制御の微細さ、偏倚現象を観察することができる。
 ● パワースペクトルでは、重心動揺を構成する揺れの周波数とその強さが検査できる。
 ● 位置・速度ベクトルでは、動揺の広がり、動揺方向を観察できる。
 ● 振幅確率密度分布では、動揺の散ばり、偏り、動揺の平均のまわりの尖りを評価する。
 健常者、迷路障害例、小脳障害例、パーキンソン例、椎骨脳底動脈不全例の検査結果を提示する。また、検査結果評価を容易に行うための、ニューラルネットを用いた型診断、病巣診断、バランス健診を目的とした重心動揺検査についても述べたい。

 

緊張性頚反射

島根医科大学元学長 檜   學先生

 −姿勢構成における体性神経反射と自律神経反射の協応(金剛力士像と見返りの弥陀像)−
 
 緊張性頸反射(以下頸反射)と呼ばれる反射がある。体幹に対し頭位を変化させると、四肢伸筋の緊張に増強・減弱のおこる現象を、マグヌス教授により見出された。この反射は正常人には見られず、脳損傷例に多発するので、病的反射と見做された。これに対し、星野教授は、この反射の他の側面は、各種の運動姿勢の構成に与るものと考えた。福田教授は、遮眼書字法を工夫し、各種頭位(左右回転、前傾、後傾頭位)で、一連の文字(又は記号)を遮眼して縦書きさせ、遮眼文字に現れる偏倚や一連の文字の長短を指標として觀察し、正常成人の上肢伸筋の緊張に、頸反射に相当するものが現れることを明らかにした。その生理学的意義を、意図する運動に際して最高の筋力を発現するためのものと考えた。この考えをすすめると、強力な頸反射発現に際しては、頸筋筋紡錘の活動には、γ繊維の他に交感神経線維の協力が考えられてよい。檜らはむち打ち損傷例を対象に、アドレナリン受容体(β受容体)作動薬(促進:イソプロテレノール、抑制:プロプラノロール)を投与し、頸筋筋放電と身体動揺の変化を觀察した。またウサギを用いたモデル実験で、イソプロテレノールを投与した際の損傷深層項筋の筋放電の変化と眼振電図を併せ觀察した。これらの成績より、深層項筋活動性亢進はγ繊維の他に、交感神経繊維の活動性亢進が関与することを知った。さらに、この際のウサギの損傷深層項筋の電顕像で、筋紡錘内に有芯顆粒を帯びた無髄繊維(交感神経繊維の活動性亢進像)の出現を知り、上記の考えの妥当性を再確認した。この所見は上で紹介した福田教授の考えの妥当性を支持する。
 ところで、頸反射には強力な反射相を示す場合と、それとは対蹠的なたおやかな反射相を示す場合の二種あることを金剛力士像と見返りの弥陀像で例示し、説明した。この際、上記の私達の成績を採用すると、前者の像では頸筋筋紡錘内の交感神経繊維はその活動性を亢進し、後者の像ではこの繊維の活動性抑制が存するものと考えられる。中枢神経系の繊維連絡の様式から考えると、筋紡錘内の交感神経活動性の調節に与る中枢機序には、扁桃核(大脳辺縁系)、視床下部、脳幹、脊髄を結ぶ下行性自律神経系(交感系並びに副交感系)がかかわるものと考えられる。
 以上の成績より、従来頸反射の仕組みは、頸筋筋紡錘内のγ繊維(体性神経系)の活動により説明されたが、頸筋筋紡錘には自律神経の関与があり、時と所に応じて、出現する頸反射が修飾(増強と減弱)をうけることを考慮すべきと述べた。

 

閉会式

次回担当県挨拶

鳥取県耳鼻咽喉科医会会長 阿部博章先生

閉会の辞

第32回臨床家フォーラム実行委員会副会長 稲川俊文

■分科会(8月25日15:00〜18:00)

1)電子カルテの現状と診療所IT化への対応

コーディネーター 柴田 康成・佐久間伸二

 昭和63年5月6日厚生省健康政策局通知により、診療録等の記載はワードプロセッサー等いわゆるOA機器により作成できるとされました。平成11年4月22日厚生省健康政策局通知により、真正性、見読性、保存性が確保されれば、診療録等の電子媒体による保存が認められました。
 平成13年9月25日保健医療情報システム検討会による保健医療分野の情報化グランドデザイン最終提言では、目標として平成18年度までに全診療所の6割以上に電子カルテを普及させるとなっています。しかし平成17年耳鼻咽喉科医会の報告では、電子カルテの普及率は全耳鼻咽喉科診療所の5.3%に止まっています。電子カルテと診療所のIT化をフォーラムの分科会テーマに取り上げ、耳鼻咽喉科診療所における電子カルテの使用状態などの現状と、診療所の電子カルテの目指す方向性を示し、会員の電子カルテ普及に対する一助になれば、と考えています。

診療所IT化の目指すもの岐阜県医師会副会長 川出 靖彦
私の電子カルテ MEDI-ECHO D佐久間耳鼻咽喉科 佐久間伸二
私の電子カルテ My Prodocしばた耳鼻咽喉科 柴田 康成
私の電子カルテ Medical Station CLINIC耳鼻咽喉科はっとりクリニック 服部 親矢
コメンテイター日本医師会副会長 岩砂 和雄
 

2)診療所サージャリーの現状と将来

コーディネーター 加藤 雅也・中山 雅文

 近年、耳鼻咽喉科分野のみならず開業医の増加に伴い、いわゆる日帰り手術を行う施設が増加している。これは勤務医時代に習得した技術の継続や意欲の持続のためのみならず、そのクリニックの特色を示すために、また他院との差別化をはかるために増加していると考えられる。特にこの傾向は、大都市に著明であり、医療施設間の競争の激化が示唆されている。
 日帰り手術の適応疾患は、医療技術や医療器械の進歩により、次第に拡大しそれに伴うリスクも増してきたと考えられる。今回は診療所手術の適応疾患、症例の選択、手術成績、リスク回避のために気をつけていることなどを講演する。まず初めに岐阜県内の診療所の先生にアンケートをおくった岐阜県内の日帰り手術の現状を報告し、その後、特に耳科手術に関しての診療所手術を中心に講演を行う予定である。

岐阜県内診療所の日帰り手術の現状中山耳鼻咽喉科サージクリニック 中山 雅文
当院における日帰り手術かとう耳鼻咽喉科サージクリニック加藤 雅也
診療所における短期入院での鼓室形成術の実際仙台・中耳サージセンター 湯浅  有
 

3)診療所での「感染症診療」‐最近の話題‐

コーディネーター 松原 茂規・山田 匡彦

 耳鼻咽喉科感染症は視診でおおよそ診断がつく、と思いがちである。では、一般女性の咽頭クラミジア感染は6−10%であるがそれは視診で診断がつくだろうか?否である。重症の急性中耳炎、起炎菌により投与すべき抗菌剤を検討すべきだと考えられるが、視診で起炎菌まで推定できるであろうか?ごく一部の症例に限り推定できるにすぎない。
 今回、われわれが何気なく行なっている耳鼻咽喉科感染症治療にスポットを当てた。末松氏には検査室からみた耳鼻咽喉科感染症につきお話していただく。検査室は、個々の症例の検査とその地域での感染症情報の発信地としての役割を担っている。また同氏には、耳鼻咽喉科医が避けて通れない機械、器具の消毒法についてもお話していただく。 次に松原が耳鼻咽喉科感染症の現況につき概説する。 最後に三鴨氏に、今や国民病と言われるSTDの中で、耳鼻咽喉科医と関係が深いクラミジア咽頭感染の現状につきお話いただく。

検査室から見た耳鼻咽喉科感染症中濃厚生病院検査科主任 末松 寛之
院内感染を防ぐ−機械・器具の消毒法とその留意点−中濃厚生病院検査科主任 末松 寛之
耳鼻咽喉科感染症の現況(中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎)松原耳鼻いんこう科 松原 茂規
耳鼻咽喉科医が知っておくべきわが国の感染症の現況
  −性感染症を含む−
岐阜大学生命科学総合研究支援センター 嫌気性菌研究分野 助教授 三鴨 廣繁
 

4)アレルギー科の標榜と専門診療
   (鼻アレルギーのみならず喘息・アトピーも守備範囲に)

コーディネーター 藤垣  煕・早野 洋司

 現在、アレルギー科を標榜する耳鼻科がほとんどと考えられますが、患者の目線からは、鼻アレルギーのみならず喘息やアトピー性皮膚炎などすべて対応してもらえる科と思われている節がある。本セクションでは、耳鼻科での実際の喘息、アトピー性皮膚炎の合併症例の発表と咳嗽のガイドラインに基づく治療と専門医に紹介すべき治療の限界について講演をしていただき、最後に県内耳鼻科医にアンケートを取り、喘息、アトピー性皮膚炎に対する対応がどうなっているかコメントしていただきます。

私のアレルギー診療
 喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎等の合併症例の取り扱い
岡田医院耳鼻咽喉科 岡田 貞二
ガイドラインに準じた咳嗽診療の実際
 −軽症喘息の診方から喘息専門医への紹介を考慮すべき時まで−
岐阜赤十字病院 呼吸器科部長 田中 春仁
コメンテイター横田耳鼻咽喉科 横田  明
 
 

5)口腔乾燥症・舌痛症への対応

コーディネーター 大橋 伸一・白木 直也

 人が潤いのある生活をしていく上で、「食」の楽しみはとても重要な意味を持ちます。少子高齢化といわれて久しくなりますが、高齢化社会は今後も確実に進んでいきます。その中で高齢者には口腔粘膜疾患、なかでも口腔乾燥症や舌痛症が多くみられ、着実に増加しています。即ち、「食」の楽しみが阻害されやすくなっているわけです。
 口腔乾燥症・舌痛症は耳鼻咽喉科医にとって日常診療で遭遇する機会が多く、かつ多彩な症状・原因のため難治でしばしば難渋させられます。本分科会では、口腔乾燥症(ドライマウス)に造けいの深い岐阜大学口腔病態学分野の柴田敏之先生に御講演をお願いしました。口腔乾燥症・舌痛症を中心に幅広く治療等についてお話を伺います。また、耳鼻科医には弱点である歯牙・歯周病等、歯科領域にかかわる知見をいかしたお話もして頂けると思います。きっと明日からの日常診療にすぐ役立つものと確信しております。

口腔乾燥症と口腔粘膜疾患の診断と治療
 −高齢化社会をふまえた口腔乾燥症・舌痛症への対応−
岐阜大学大学院医学研究科 口腔病態学分野 教授 柴田 敏之
 

6)耳鼻咽喉科医に必要な小児感染症の知識

コーディネーター 白木 直也・大橋 伸一

 このセクションは耳鼻科診療でよく診られる小児の感染症を取り上げた。講師である小児科の武内先生には以前、岐阜県耳鼻科研修会にて小児の発疹・口腔粘膜所見のスライド写真を多岐に使用し非常にわかりやすく説明していただいた。小児の風邪の病原体はウイルスが90%を占めており抗生剤は無効である。その代表的なウイルス感染症の見方や、年齢別に病態生理の違いを考えた説明、対応についてのこつをお話していただく。感染症の多くを抗生剤で治療する耳鼻科医にとっては新たな知見を明日から役立てていただけるに違いない。

耳鼻咽喉科医に必要な子供のかぜと病原診断のメリット
元川崎市立川崎病院 院長
医療法人 慈恵会 中村病院 小児科 武内 可尚
 

7)従業員教育

コーディネーター 征矢野 薫

 開業医にとって、診療については勿論のこと、経営者としての知識も必要な時代になってきています。患者さんは医師の診断、治療も当然受診医院選択の基準にしていますが、同様に大きなポイントを占めるのは医師以外のスタッフの対応や、施設の心地よさなどと言われています。講演していただく嶋田六郎先生は愛知県で耳鼻科医院を開業されていますが、HAS(心づくしのHospitality、心づくしのAmenity、心づくしのSmartness)を経営理念に開業当初から従業員教育を実践されていらっしゃいます。その理念と実際の教育の内容をご教授いただけると思います。
 また、会場は異なりますが、従業員の皆様対象の内容でも講演が行われます。従業員の方々にはそちらに参加していただければ幸いです。

理想の診療所を目指した従業員教育耳鼻いんこう科嶋田医院 院長 嶋田 六郎
 −今、何故、従業員教育が必要か−
 

8)補聴器相談医としてなすべきこと

コーディネーター 赤井 貞康

 平成17年より改正薬事法が施行され、補聴器は「管理医療機器」として法律の規制を受けることとなった。それを受けて日耳鼻は、耳鼻咽喉科専門医に対して補聴器相談医という新たな資格制度を作った。補聴器販売店協会などと協力して、難聴者の利益が守られるように活動をすることとなる。補聴器相談医は、どのような検査・難聴者への説明・補聴器の知識が必要なのであろうか。
 また、良質な補聴器販売店との連携が、悪質な補聴器販売をする業者を駆逐することとなり、難聴者の利益となることは疑いない。本セクションでは、最新のデジタル補聴器の調整を自らの手で行える耳鼻咽喉科医が数えるほどしかいない中で、杉内智子先生のご講演を伺って補聴器相談医の臨床を学ぶとともに、補聴器販売店の立場からの意見に耳を傾けたいと考えます。

補聴器相談医としてなすべきこと関東労災病院耳鼻咽喉科 杉内 智子
補聴器販売店から補聴器相談医に望む事
理研産業株式会社 本社営業統括部聴能担当部長 市川 和幸
開業医が補聴器外来を持つ際の留意点赤井耳鼻咽喉科医院 赤井 貞康
 −2万円台の補聴器の活用−
 
■機械展示ブース   (ウエルカム広場)
(8月25日 14:00〜18:00)
(8月25日 09:00〜12:30)
■電子カルテ展示ブース(食游館1F:レストラン「コリーヌ」)
(8月25日 14:00〜18:00)
(8月25日 09:00〜12:30)
■談話コーナー    (食游館1F:レストラン「コリーヌ」)
(8月25日 12:00〜18:00)
(8月25日 09:00〜12:30)
■聴力検査講習会   (食游館3F:特別会議室)
(8月25日 15:00〜16:30)
■従業員用教養講座及び一般公開講座(ミニシアター)
(8月25日 15:00〜18:00)
●映画「眼振の生理」(DVD 30分)
●講演「めまいを斬る」(60分)森耳鼻咽喉科 森  芳郎
●映画「訓練の生理」(DVD 30分)
●講演「理想の診療所を目指した私達の自主研鑚」(60分)
耳鼻いんこう科嶋田医院 代表従業員 辻本 桂子
■懇親会(8月25日19:00〜21:00)会場:高山グリーンホテル
   

観 光

■エキスカーション(市内観光)
●市内散策(自由行動):観光案内資料配布
■ポストコングレスツアー(8月26日13:30〜)
●世界遺産白川郷・郡上八幡(郡上踊り参加)
日次月日(曜) 行  程 
8/26
(日)
  ※昼食(弁当)をバス内に用意致します

 飛騨センター === 白川郷散策(野外博物館合掌造り民家園など)
  13:40        15:00            17:20
 ====== 郡上八幡
 17:20    18:50
           ホテル館内にて郡上踊りをお楽しみ頂きます

宿泊地:郡上八幡ホテル郡上八幡(2名1室利用基本)
8/27
(月)

 郡上八幡 === 岐阜県淡水魚園水族館(アクアトト) ===
  8:45      9:30            11:30
 長良河畔・『十八楼』にて昼食(懐石料理) === JR名古屋駅
 12:00             13:00      14:30

 
<コースポイント>
世界文化遺産(国指定伝統的構造物群保存地区)である萩町合掌造りを訪れ、郡上踊りで有名な郡上八幡に宿泊。翌日は日本最大級の淡水魚水族館(アクアトトぎふ)を見学いたします。
【野外博物館合掌造り民家園】
白川郷各地で使われていた合掌造民家を25棟移築し、保存・公開している。園内には神社、水車小屋、馬屋などが立ち、昔さながらの風景を堪能することが出来ます。
 
●奥飛騨温泉郷・上高地
日次月日(曜) 行  程 
8/26
(日)
  ※昼食(弁当)をバス内に用意致します

 飛騨センター ==== 新穂高ロープウエイ(往復利用) ==
   13:40        15:30          17:00 
  ==== 新穂高温泉
        17:30
宿泊地:新穂高温泉穂高荘山のホテル(2名1室利用基本)
8/27
(月)

 新穂高温泉 === 上高地散策・『上高地帝国ホテル』にて
  8:45        10:30           
 昼食(コース料理) ==== JR松本駅
  13:30            15:00

<コースポイント>
日本初の2階建てゴンドラが人気。片道約25分で標高2156mの西穂高口まで、ぐんぐん登るロープウエイの窓からは、北アルプスの山が目前に迫り、まさに絶景です。翌日はベストシーズンの上高地を散策していただきます。
【新穂高ロープウエイ】
西穂高口(標高2156m)の展望台からは、乗鞍岳・笠ケ岳など飛騨側の山々から槍ヶ岳・穂高岳などの長野県側の山々への一大パノラマがお楽しみ頂けます。