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■分科会(8月25日15:00〜18:00) |
1)電子カルテの現状と診療所IT化への対応
コーディネーター 柴田 康成・佐久間伸二
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昭和63年5月6日厚生省健康政策局通知により、診療録等の記載はワードプロセッサー等いわゆるOA機器により作成できるとされました。平成11年4月22日厚生省健康政策局通知により、真正性、見読性、保存性が確保されれば、診療録等の電子媒体による保存が認められました。 平成13年9月25日保健医療情報システム検討会による保健医療分野の情報化グランドデザイン最終提言では、目標として平成18年度までに全診療所の6割以上に電子カルテを普及させるとなっています。しかし平成17年耳鼻咽喉科医会の報告では、電子カルテの普及率は全耳鼻咽喉科診療所の5.3%に止まっています。電子カルテと診療所のIT化をフォーラムの分科会テーマに取り上げ、耳鼻咽喉科診療所における電子カルテの使用状態などの現状と、診療所の電子カルテの目指す方向性を示し、会員の電子カルテ普及に対する一助になれば、と考えています。
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診療所IT化の目指すもの | 岐阜県医師会副会長 川出 靖彦 |
私の電子カルテ MEDI-ECHO D | 佐久間耳鼻咽喉科 佐久間伸二 |
私の電子カルテ My Prodoc | しばた耳鼻咽喉科 柴田 康成 |
私の電子カルテ Medical Station CLINIC | 耳鼻咽喉科はっとりクリニック 服部 親矢 |
コメンテイター | 日本医師会副会長 岩砂 和雄 |
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2)診療所サージャリーの現状と将来
コーディネーター 加藤 雅也・中山 雅文
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近年、耳鼻咽喉科分野のみならず開業医の増加に伴い、いわゆる日帰り手術を行う施設が増加している。これは勤務医時代に習得した技術の継続や意欲の持続のためのみならず、そのクリニックの特色を示すために、また他院との差別化をはかるために増加していると考えられる。特にこの傾向は、大都市に著明であり、医療施設間の競争の激化が示唆されている。 日帰り手術の適応疾患は、医療技術や医療器械の進歩により、次第に拡大しそれに伴うリスクも増してきたと考えられる。今回は診療所手術の適応疾患、症例の選択、手術成績、リスク回避のために気をつけていることなどを講演する。まず初めに岐阜県内の診療所の先生にアンケートをおくった岐阜県内の日帰り手術の現状を報告し、その後、特に耳科手術に関しての診療所手術を中心に講演を行う予定である。
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岐阜県内診療所の日帰り手術の現状 | 中山耳鼻咽喉科サージクリニック 中山 雅文 |
当院における日帰り手術 | かとう耳鼻咽喉科サージクリニック加藤 雅也 |
診療所における短期入院での鼓室形成術の実際 | 仙台・中耳サージセンター 湯浅 有 |
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3)診療所での「感染症診療」‐最近の話題‐
コーディネーター 松原 茂規・山田 匡彦
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耳鼻咽喉科感染症は視診でおおよそ診断がつく、と思いがちである。では、一般女性の咽頭クラミジア感染は6−10%であるがそれは視診で診断がつくだろうか?否である。重症の急性中耳炎、起炎菌により投与すべき抗菌剤を検討すべきだと考えられるが、視診で起炎菌まで推定できるであろうか?ごく一部の症例に限り推定できるにすぎない。 今回、われわれが何気なく行なっている耳鼻咽喉科感染症治療にスポットを当てた。末松氏には検査室からみた耳鼻咽喉科感染症につきお話していただく。検査室は、個々の症例の検査とその地域での感染症情報の発信地としての役割を担っている。また同氏には、耳鼻咽喉科医が避けて通れない機械、器具の消毒法についてもお話していただく。 次に松原が耳鼻咽喉科感染症の現況につき概説する。 最後に三鴨氏に、今や国民病と言われるSTDの中で、耳鼻咽喉科医と関係が深いクラミジア咽頭感染の現状につきお話いただく。
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検査室から見た耳鼻咽喉科感染症 | 中濃厚生病院検査科主任 末松 寛之 |
院内感染を防ぐ−機械・器具の消毒法とその留意点− | 中濃厚生病院検査科主任 末松 寛之 |
耳鼻咽喉科感染症の現況(中耳炎・副鼻腔炎・扁桃炎) | 松原耳鼻いんこう科 松原 茂規 |
耳鼻咽喉科医が知っておくべきわが国の感染症の現況 −性感染症を含む− |
岐阜大学生命科学総合研究支援センター 嫌気性菌研究分野 助教授 三鴨 廣繁 |
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4)アレルギー科の標榜と専門診療 (鼻アレルギーのみならず喘息・アトピーも守備範囲に)
コーディネーター 藤垣 煕・早野 洋司
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現在、アレルギー科を標榜する耳鼻科がほとんどと考えられますが、患者の目線からは、鼻アレルギーのみならず喘息やアトピー性皮膚炎などすべて対応してもらえる科と思われている節がある。本セクションでは、耳鼻科での実際の喘息、アトピー性皮膚炎の合併症例の発表と咳嗽のガイドラインに基づく治療と専門医に紹介すべき治療の限界について講演をしていただき、最後に県内耳鼻科医にアンケートを取り、喘息、アトピー性皮膚炎に対する対応がどうなっているかコメントしていただきます。
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私のアレルギー診療 喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎等の合併症例の取り扱い |
岡田医院耳鼻咽喉科 岡田 貞二 |
ガイドラインに準じた咳嗽診療の実際 −軽症喘息の診方から喘息専門医への紹介を考慮すべき時まで− |
岐阜赤十字病院 呼吸器科部長 田中 春仁 |
コメンテイター | 横田耳鼻咽喉科 横田 明 |
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5)口腔乾燥症・舌痛症への対応
コーディネーター 大橋 伸一・白木 直也
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人が潤いのある生活をしていく上で、「食」の楽しみはとても重要な意味を持ちます。少子高齢化といわれて久しくなりますが、高齢化社会は今後も確実に進んでいきます。その中で高齢者には口腔粘膜疾患、なかでも口腔乾燥症や舌痛症が多くみられ、着実に増加しています。即ち、「食」の楽しみが阻害されやすくなっているわけです。 口腔乾燥症・舌痛症は耳鼻咽喉科医にとって日常診療で遭遇する機会が多く、かつ多彩な症状・原因のため難治でしばしば難渋させられます。本分科会では、口腔乾燥症(ドライマウス)に造けいの深い岐阜大学口腔病態学分野の柴田敏之先生に御講演をお願いしました。口腔乾燥症・舌痛症を中心に幅広く治療等についてお話を伺います。また、耳鼻科医には弱点である歯牙・歯周病等、歯科領域にかかわる知見をいかしたお話もして頂けると思います。きっと明日からの日常診療にすぐ役立つものと確信しております。
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口腔乾燥症と口腔粘膜疾患の診断と治療 −高齢化社会をふまえた口腔乾燥症・舌痛症への対応− |
岐阜大学大学院医学研究科 口腔病態学分野 教授 柴田 敏之 |
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6)耳鼻咽喉科医に必要な小児感染症の知識
コーディネーター 白木 直也・大橋 伸一
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このセクションは耳鼻科診療でよく診られる小児の感染症を取り上げた。講師である小児科の武内先生には以前、岐阜県耳鼻科研修会にて小児の発疹・口腔粘膜所見のスライド写真を多岐に使用し非常にわかりやすく説明していただいた。小児の風邪の病原体はウイルスが90%を占めており抗生剤は無効である。その代表的なウイルス感染症の見方や、年齢別に病態生理の違いを考えた説明、対応についてのこつをお話していただく。感染症の多くを抗生剤で治療する耳鼻科医にとっては新たな知見を明日から役立てていただけるに違いない。
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耳鼻咽喉科医に必要な子供のかぜと病原診断のメリット |
| 元川崎市立川崎病院 院長 医療法人 慈恵会 中村病院 小児科 武内 可尚 |
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7)従業員教育
コーディネーター 征矢野 薫
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開業医にとって、診療については勿論のこと、経営者としての知識も必要な時代になってきています。患者さんは医師の診断、治療も当然受診医院選択の基準にしていますが、同様に大きなポイントを占めるのは医師以外のスタッフの対応や、施設の心地よさなどと言われています。講演していただく嶋田六郎先生は愛知県で耳鼻科医院を開業されていますが、HAS(心づくしのHospitality、心づくしのAmenity、心づくしのSmartness)を経営理念に開業当初から従業員教育を実践されていらっしゃいます。その理念と実際の教育の内容をご教授いただけると思います。 また、会場は異なりますが、従業員の皆様対象の内容でも講演が行われます。従業員の方々にはそちらに参加していただければ幸いです。
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理想の診療所を目指した従業員教育 | 耳鼻いんこう科嶋田医院 院長 嶋田 六郎 |
−今、何故、従業員教育が必要か− |
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8)補聴器相談医としてなすべきこと
コーディネーター 赤井 貞康
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平成17年より改正薬事法が施行され、補聴器は「管理医療機器」として法律の規制を受けることとなった。それを受けて日耳鼻は、耳鼻咽喉科専門医に対して補聴器相談医という新たな資格制度を作った。補聴器販売店協会などと協力して、難聴者の利益が守られるように活動をすることとなる。補聴器相談医は、どのような検査・難聴者への説明・補聴器の知識が必要なのであろうか。 また、良質な補聴器販売店との連携が、悪質な補聴器販売をする業者を駆逐することとなり、難聴者の利益となることは疑いない。本セクションでは、最新のデジタル補聴器の調整を自らの手で行える耳鼻咽喉科医が数えるほどしかいない中で、杉内智子先生のご講演を伺って補聴器相談医の臨床を学ぶとともに、補聴器販売店の立場からの意見に耳を傾けたいと考えます。
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補聴器相談医としてなすべきこと | 関東労災病院耳鼻咽喉科 杉内 智子 |
補聴器販売店から補聴器相談医に望む事 |
理研産業株式会社 本社営業統括部聴能担当部長 市川 和幸 |
開業医が補聴器外来を持つ際の留意点 | 赤井耳鼻咽喉科医院 赤井 貞康 |
−2万円台の補聴器の活用− |
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